TIME IS LIFE
2021-01-24


禺画像]
今日の絵は、板タブを使って書いてみました。
なかなか旨くなれないものです。
コロナで傷みつけられて沈みゆく日本の痛々しさを表現しました。


契約に対する日本人のガードの弱さは、世界で突出しています。
私の所属する建築業界ですら、
今までの慣習で、「請負」という言葉が表しているように、
一旦、工事を請け負ったら、施主という言葉に代表されるように、
仕事を施してもらうので、あるじの言いなりになる風習できました。

もっとも、施主側も、企画から建物完成までを一括で請け負ってくれる
業務発注形態であったので、多少金額は多くてもすべてを委ねることでき、安心して事業を進めることができました。

しかし、世の中が世知辛くなってきて、請負者がもうけすぎとか、
使途不明金が多いなどの声が、施主という一個人の発注から、
株式という、多くの出資者が発注するようになると、説明責任が発生して、この日本の古くからの慣習は崩壊しました。

西洋的な、契約形態に、発注形態の変化で変わっていきましたが、
発注者と施工者は対等だといっても、まだまだ、仕事をもらう立場は弱く、
ましてや、工事途中の設計変更はもとより、
工事金額の増額をスムーズに受領するのは、
建物に使う材料が一物一価でなく、
工事にかける手間は、なかなか数字としてあらわすことができないので、
至難のことです。
また、日本の企業は永続性を基盤としておりますので、もちつもたれるの関係を継続するために無理がきく社会です。

これとは別に、募集型旅行契約のような場合は、
新聞に掲載している内容がすべてで、
細かな字で記載されている事項が、契約履行のすべてですので、
一旦契約した場合、一方的に、企画側の契約条項に縛られて動かざるを得ません。

旅行慣れしていない人は、良くパンフレットを読んでいないので、
旅行先でこんなはずではなかったとか、
観光地は素通りされたとか、外から見るだけだったとか、
食事はひどかった、ホテルはひどいとか、トランジットでひどい目にあったなどと、契約条項をよく見ない自分の責任であるのに、旅行会社に文句を言っている人が多いです。

さて、日本人のオリンピックの開催に対する発言を見るに、
まだまだ、日本の工事請負型の契約の甘さ、寛容さが、そのままオリンピックに当てはめられると思っている人が多いのは、残念であり、
アングロサクソン系の人と契約を経験していないために、トンチンカンなコメントでマスゴミをにぎわせております。

まず五輪開催の決定権はIOCにある。これが大前提で日本には何の決定権もないのが、契約です。
募集型旅行型契約でいえば、この条件で契約を結んでしまっているのです。
キャンセル期間が過ぎた場合、旅行代金は全額、いかなる場合でも申込者が支払わなくてはいけないように、
日本が、コロナでギブアップをしても、旅行前に急に熱が出て
旅行に参加できない程度のことで、

五輪を主催するIOCに対し、日本は場所を提供する立場を熱のために開催できないと言えば、
場所を貸す契約義務を果たさないのだから当然、莫大な賠償金がIOCから請求されます。」

このところIOCは、絶対的に開催を主張しておりますが、
IOC自身が中止を決断した場合は、「規約にはIOCが中止を判断する選択肢もある」と書かれていますので、
したがって、日本への違約金は払う必要はないのです。

開催都市契約の第66条に「IOCが本大会の中止を決めた場合」として「すべての損害賠償およびその他の利用可能な権利や救済を請求するIOCの権利を害することなく、即時に本契約を解除する権利を有する」と明記されています。


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[おじさん雑感]

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